ツノガエルを飼う<はじめの一歩:パート2>
2018/11/10
■棲家の理解と飼育環境のイメージ
どんな動物でもペットとして飼おうと思った時、まずは飼おうと思っている動物が自然界でどんな生活を送っているのかを理解する必要があります。
カエルには、水棲・半水棲・樹上棲・地上棲など棲息している環境で特徴を大別することができますが、ベルツノガエルをはじめとするツノガエルは地上棲になります。
地上棲のカエルとは、ヒキガエルのように地上=土の上を普段の棲家としているカエルです。トノサマガエルやダルマガエルなどの田んぼや川辺の水場周りを棲家としてるカエルは半水棲、アマガエルやモリアオガエルなど、草むらや木の上を棲家としているカエルは樹上棲になります。
ただ、飼育環境も地上棲カエル=ヒキガエル=ツノガエルというわけではなく、ベルツノガエルやクランウェルツノガエルなどはヒキガエルほど普段から乾燥環境で大丈夫というわけではないので、飼育環境を構築するイメージとしてはトノサマガエルやアマガエルを飼う環境の方がより近いと思われます。床材にもよりますが、ゲージの底にヒタヒタの水(浅い水たまりのイメージ)があるような感じです。
また、ツノガエルが棲んでいる場所というか地域ですが、いわゆる熱帯、亜熱帯といわれる地域に棲んでおりますので、飼育環境についても20℃~30℃程度をキープする必要があります。
■飼育に必要なもの
ツノガエルを飼育するために整える必要最小限の設備は蓋ができる飼育ケースとヒーターになります。ヒーターについては自動的に一定の温度を保てるフィルム状のヒーターがいいと思います。ゲージとヒーターの2つがあればツノガエルを飼うことができます。
■飼育ケース
飼育ケースの種類やそれぞれの特徴については、別な記事に詳細を記載しますが、金魚や熱帯魚用の水槽もしくはプラスチックケースなど、水が漏れないケースがあれば大丈夫です。ベビーサイズであれば、100円ショップのCDケースなんかでも、フタに穴を開けるなどをしてケース内が蒸れない加工をすれば流用可能です。
あとは、カエルの飛び出しやゲージ上からの落下物防止などのためにフタも用意してください。ここで注意してほしいのが、フタについてはケージ内の通気性を確保できて蒸れないモノが必要だということです。
ですので、メッシュ状のフタが付属しているプラケースは別にして、熱帯魚用の水槽を飼育ケージとする場合、水槽に付属しているピッタリとしたガラス蓋は通気悪化と蒸れを招きますので、他に市販されているステンレス製のメッシュフタやパンチングボード(透明な塩ビ板に多数の穴が開いているもの)などに変更する必要があります。
ちなみに私の場合はバーベュー用の焼き網を現在は使用しています。(それなり強度と通気性を保てるものであれば、専用のものを用意しなくても、なんでもいいと思いますよ。)
ツノガエルを飼い始める場合、生体はベビーサイズが殆どだと思いますので、飼育当初は100円ショップやホームセンタのペットコーナーで販売されている安くて小さなプラケースで飼い始め、自分が目指す飼育スタイルが決まってから、次のステップとして、キューブ水槽などの別なゲージを購入するという形でよいのではないでしょうか。
■ヒーター
ツノガエルが棲んでいる地域は熱帯、亜熱帯といわれる地域ですので、気温が20℃以下になってしまう秋~春までの間は保温が必要です。ベテラン飼育者のなかには冬眠させる方もいるようですが、やはり保温をして日本の冬を乗り切るのがベターではないかと思います。
ヒーターについては、熱帯魚用サーモスタットとヒーターも流用できないこともないですがそれなりの水かさを稼ぐ細工が必要になるので、サーモ機能があって一定の温度を保つフィルム状のヒーターが使い勝手もよくお勧めです。フィルム状のヒーターを飼育ケースの下(ゲージの外側)に敷き、底からゲージ全体を保温します。
多頭飼育をしている方は、植物用の温室などを使って複数のゲージを効率的に保温しています。
★ツノガエルの飼育ケースとヒーターはサイドバーを参考にして下さい。
■飼育環境のセット
飼育ケースとヒータを準備したら、自分の机かテーブルにでも30cm四方のスペースとそのスペース近辺まで延長ケーブルにて電源を確保してください。
あとはそこへフィルムヒーター、ゲージの順にセットして水を少々入れ、フタをすれば、ハイ、おしまい!水張り飼育の環境が出来あがりました。
床材を使わない水張り飼育であれば、水の深さは購入したカエルの体半分以下程度までにしておいて下さい。水深が深いとツノガエルの場合は、カエルであるにもかかわらず、溺れてしまいます。
もし水の深さの感覚がつかめず不安でしたら、キッチンペーパーなどを敷いて、それがヒタヒタになるぐらいにしておけば問題なしです。
お勧めなのは、プラケースなどを購入する時に鑑賞魚用のフィルターマットを一緒に購入し、床にはケースにあわせた大きさにカットしたフィルターマットを敷き、マットがヒタヒタになる程度の水を入れてフィルターマットの飼育環境を立ち上げてしまうのがいいと思います。
■餌(エサ)
ツノガエルの餌は色々な方が色々な餌を与えていますが、通常、販売されているのはベビーサイズですから、飼い始めて1ヶ月ぐらいはメダカか乾燥イトミミズを用意すればいいと思います。メダカであれば、1日1匹を2日与えて1日休みというペース、乾燥イトミミズであれば、1日1個を1日与えて1日休みというペースでいいと思います。
注意して欲しいのは、なんせ幾らでも食べようとするので与え過ぎないことです。
私の場合、メダカと乾燥イトミミズを併用してましたが、最初の1週間はメダカを、その後2週間は乾燥イトミミズを上記のペースで与えた後、それなりに成長してきましたので、1度に乾燥イトミミズを2つ与えたり、メダカを3匹与えたりしましたが、必ず中1日以上は休みの日を入れておりました。
■日常管理
日常管理といっても、これまた簡単!やるべきことは水替えだけです。
タイミング的には、カエルがフンをしていた時と、それ以外には週2回ぐらいのペースで水を換えてあげればいいだけです。
ただ、この水換えを怠ると大変なことになります。
我が家のベルツノ君も見た目に汚れていなかったので、水換えを怠っていたら皮膚に腫瘍のようなものが出来てしまったことがありますので、見た目で汚れていなくても水はキチンと換えてあげて下さい。
でも、熱帯魚のように大量の水がゲージに入ってるわけではないですから、この水換えも手間も時間もかからず簡単です。
また、フンを見つけたら、水換えのペースにかかわらずフンを取り除くだけではなく、水もキチンと換えてくださいね。
■参考までに・・
私の場合は、ベルツノガエルを買い始めたのが7月でしたので、100円ショップでプラケースを2つと餌を与えるのに使うピンセット、となりのホームセンタで熱帯魚用の上部式フィルターマットを1枚と餌のメダカを5匹を買って飼いい始め、約1ヶ月後に20cmのキューブ水槽やフィルム状のヒーター、小型水中ヒーターをネットショップで注文し、現在の飼育環境を立ち上げました。
最初に買ったプラケースは、ケージの水換え時や温浴用、旅行時などの長期不在時のお風呂場への移設用として使ってますので、無駄になっていないというか、通常管理に必要な臨時ケースとなっています。
今日は3連休最後の日ですが、関東地方は天気が悪そうです。近くのペットショップにのぞきに行くのもよし、このままCharm(お勧めです)で色々なものをながめてみてもよし、ツノガエルを飼い始める準備をしては如何ですか?
(関連記事:リサーチ完了!<飼育用ケースの検討>、今度はヒーター!<パネルヒーターの検討>)